2024年10月4日

看護師の退職時の引き継ぎは、患者さんへの看護の質を維持し、後任者が業務に困らないために不可欠な業務です。そんな引き継ぎは、やり方次第で問題が発生することもあります。円満に退職するためにはそれらを把握し、改善策を講じておくことが重要です。よくある問題としてまず挙がるのが、伝達されていない情報が生じることです。担当する患者さんの情報に気を取られ、委員会業務の引き継ぎが漏れていた、患者さんが嫌がる言葉などの注意事項が漏れていたという事例は少なくありません。特に看護師の業務は多岐にわたるため、伝え漏れしやすい状況にあります。こうした問題を回避するためには、口頭での説明だけで終わらせず、必ず引き継ぎノートを作成するようにしましょう。

また、引き継ぎ期間が足りない状況も、問題を引き起こす要因となります。当然ながら短期間の引き継ぎでは、後任者が情報を完全に理解するのは難しくなります。引き継ぎは計画を立てた上で、できる限り早い時期からスケジュールに沿って行うことが重要です。同時に、コミュニケーション不足も引き継ぎ時のトラブルに発展しやすいため注意しましょう。できる限り、前任者と後任者とでマンツーマンの状態できめ細やかなやりとりをしておきたいところです。しかし、忙しい現場ではなかなかそれが難しかったりもするでしょう。そのため、看護チーム全体で引き継ぎ情報を共有し、疑問や懸念があればみんなで解消するような体制を取っておくのが理想的です。そうすることで、お互いがフォローし合うことができます。

最後に、価値観の違いや個性の違いによる誤解も、適切な引き継ぎを阻むことがあります。特に年齢差や勤続年数の差など、お互いのキャリアに差異があると、伝え方に偏りが出て情報伝達に問題が生じやすくなります。決して「もう辞めるから」と引き継ぎ作業を雑に行ってはいけません。新人看護師に伝えるようなイメージで、誰にでもわかるように伝達することが大事です。自分にとってわかりきっている事柄でも念のために伝えるようにすることで、情報漏れを防ぐことができます。円満に退職するためには、後任者への情報伝達のポイントを掴み、確実に物事を進めていく必要があります。用意周到な形でスムーズに動くためにも、引き継ぎの注意事項はしっかりと押さえておきましょう。